Time waits for no one
中二のときでしたか、たしかヤオハン、あれっ西友だっけかな、どっちかにあった新星堂です。セール品ワゴンに並べられた中にあったこのレコードジャケット、どこかいかがわしい感じに惹かれ、ほぼ衝動的に買ってしまいました。
ほんとはビートルズを買いにいったのに、購入しちゃったのがこのローリングストーンズのレコードなんです。おいおい、それのどこが自慢するような話なのと思われるかもしれませんが、当時ローリングストーンズを聴くにはかなりの勇気が必要だったんですよ。というのは、その頃わたしたちの世代は、ビートルズ第二世代とかいわれ、中学生の間では現役のペイシティローラーズやクイーン、ウィングス、ツェッペリン、ディープパープルなどと共に、解散して5、6年経っているビートルズが流行っていました。もちろん流行に敏感なわたしも好きだったんですが、同時に流行に逆らいたい気持ちもあったりしましたから、それは今でも変わりません。
さて、明るく健全でメジャーなビートルズの「優等生」というイメージに対して、ローリングストーンズはダークで退廃的でマイナーな「不良」というイメージがそのころは定着していたみたいです。実際わたしの同級生の間では全く人気がありませんでした。「うるさいだけの音楽」などと言う友人もいました。さらにストーンズは学校でも禁じられていました。清水第一中学校の当時の生徒手帳には『靴下のラインは2本まで』とか『男女の交際は健全に』などといった校則にまじって『ローリング・ストーンズのレコードを聴いてはいけない』とたしか書かれてあったと思います。その頃はまだ体罰というものが一般的でしたから、校則をちょっとでも破ると教師から殴る蹴るの暴力を受けるのは必至であって、中二のわたしは相当の覚悟をもってストーンズのレコードを買ったわけです。
どうです?自慢できるような勇気ある行動でしょう?
初めての輸入盤はどうだったのかというと、封をきり、わたしはその無造作なつくりにびっくりしました。日本語の解説はもちろんなく、歌詞さえ付いていないじゃありませんか。それに、当たり前ですが全部英語で歌っています。中二のわたしに歌詞を聞き取ることなどできるわけがなく、ただ曲名を辞書を繰りつつ、曲の内容を想像するのでした。A面のラストに『Time waits for no one』という曲があります。日本語でいうことわざの「歳月人を待たず」ですね。この人たちは「不良」なのにことわざを曲名にするなんて不良っぽくないなぁ、なんて中二ながらに思いました。でも「rolling stones」というバンド名だって英語のことわざだと英和辞書から知り、なんだか不思議な感じがしました。「不良っぽい」の意味がわからなくなったといいましょうか。
三十数年後、清水に帰ってきてこのLPをみつけ、あの頃の、多感で未熟で傷つきやすくて小心者だった自分を思い出し、うーん、おっさんになった今もたいして変わんないかぁなどと思ったり、思わなかったり、します。
このレコードを店内で聴きながらお店の様子を動画で撮影してみました。お店の様子や取扱い商品がわかると思います。ちょっとカメラの調子が悪いのでときどき勝手に白黒になったりへんなノイズがはいったりします。「うるさい音楽」がダメな方はやめたほうが良いです。音質はアナログレコードをデジカメで録ってるからやはり良くないと思います。
Time waits for no one (the Rolling Stones「it's only rock'n roll」
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ではでは、どうぞよろしくお願いいたします。
- 2010.05.05 Wednesday
- 栗林デンキの道具自慢
- 19:27
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- by kuriden#3